今回はマンション購入、売却時の参考になればと思い虎の巻を作成しました!

住まい探しをこれから始める方はもちろん、住まい探し中に壁にぶつかってしまった方にもぜひ読んでいただきたい内容です。

【いくらまでの住まいが購入できるかを知る】

・相談者様が購入するケースで一番多いのが年収の7倍程度です
・世間的に安心と言われているのは年収の5倍~7倍までです(物件価格=年収の5倍~7倍+頭金)
・個人の属性にもよりますが年収の10倍程度までは借り入れできる場合もあります
・一番確実なのは今の家賃と同じ支払いになる資金計画です
ファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします

【どこで住まいを買うべきか エリア選定】

ご実家の関係、すでにお子様が学校に通っているなどの理由があり購入したいエリアが定まっている方は悩む必要はありませんが、そうでなければどこで住まいを買うべきか悩むはずです。

通勤先は?街の雰囲気は?子育て環境は?鉄道路線の特徴は?
地理に詳しくなければより迷うはずです。まずは譲れない条件をご家族で話し合いましょう。一番大切にしてほしいことはその街に住んだ時にご家族全員がパワーをもらえるエリア、すなわちパワーポジションなのかをご確認ください。街との相性は人それぞれ違います。住めば都とは言うものの、好きになれない、パワーをもらえない街はおすすめできません。

【新築マンションか?中古マンションか?】

新築マンションと中古マンションに関しては車など他の商品購入に例えると理解しやすいでしょう。

新車と中古車を買う際に新車を選ぶ方の多くは「新車という快適性」を求めて購入する方が多いでしょう。発売されたばかりの車種でなければ中古車が出回っており価格面では当然新車のほうが高くなります。しかし購入した新車も一度手にしてしまえば中古車に変わります。1日だけ乗車して買取査定に出したとしたらどうでしょうか。新車時よりも大幅に下がった金額での買取を提示されるでしょう。これは新築マンションでも同じことです。新築という価値、すなわち新築プレミアムにお金を払うわけです。

【新築は買った瞬間に価値が下がる?】

先ほどは車の購入に例えましたがマンションに関してはまったく同じ商品というものはありませんから一品物です。つまりは価値あるものを買えば値上がる可能性があるのも事実です。都心部では空中族という言葉も生まれるくらいマンション購入で儲けるということが世間に知れ渡っています。

しかし、値上がるマンションはごく僅かだとお考えください。お金儲けのために住まいを買う投資であれば話は別ですが、満足度を重視させたほうが幸せな生活を送れるはずです。

【儲ける必要はないが残債割れは絶対NG】

マンションを購入するにあたり満足度を大切にしてほしいとお伝えしましたが、満足度だけしか見ないのも間違いです。儲ける必要はありませんが物件価値よりもローン残債のほうが上回ってしまい含み損を抱えることは絶対にあってはなりません。ローン破綻をする方のほとんどが残債割れが最終的な原因となります。なぜなら、残債割れしていなければ売却してしまえば借金を0円にできるからです。

ご自身の収入に対してのローン借り入れ金額はしっかりとチェックする方が多いのに物件の資産価値とローン残債の推移については調べずに購入する方がほとんどなのではないでしょうか。

【ローン残債と検討物件の資産価値を比べる】

~安心して購入できるパターン~

年収 600万円 購入物件 4000万円 頭金 0円
借り入れ金額 4000万円 35年ローン 手残り貯金 300万円

購入物件の資産価値 築5年時 3800万円 築10年時 3600万円
ローン残債額 築5年時 約3510万円 築10年時 約3000万円

この場合、築10年時にはローン残債よりも資産価値が600万円上回っており、売却すれば600万円が戻ってくることになります。つまりは売却してしまえばローン残債を0円にできるため購入しても良いパターンと言えます。

※売却時は仲介手数料がかかります

~購入してはいけないパターン~

年収 600万円 購入物件 4000万円 頭金 0円
借り入れ金額 4000万円 35年ローン 手残り貯金 100万円

購入物件の資産価値 築5年時 3200万円 築10年時 2800万円
ローン残債額 築5年時 約3510万円 築10年時 約3000万円

この場合、築10年時でさえもローン残債が資産価値を上回っているため売却するには手持ち金から200万円出さなければローン残債を0円にすることができません。このパターンでの購入はおすすめできません。

頭金を多く入れる、手持ち金を多く残すなど万が一売却する際に対応ができるのであれば何ら問題ありません。

※売却時には仲介手数料がかかります

【10年後のローン残債はどれくらいか】

・2500万円借り入れ・・・約1900万円
・3000万円借り入れ・・・約2250万円
・3500万円借り入れ・・・約2600万円
・4000万円借り入れ・・・約3000万円
・4500万円借り入れ・・・約3400万円
・5000万円借り入れ・・・約3700万円
・5500万円借り入れ・・・約4100万円

※金利1% 35年返済で計算

【新築プレミアムとは】

私が良く使う新築プレミアムという言葉ですが一体どんな意味なのか?

それは住んだ瞬間に下がる価値について表現しています。

例えば5000万円で購入した新築マンションが入居した瞬間に4500万円になった場合は下がった分の500万円が新築プレミアムということになります。

新築マンションを購入するメリットとして新築という快適性、精神衛生上良いなどは当然としてメニュープランを選べたり、カラーセレクトができたり、キッチンや洗面化粧台の高さが選べたりと新築ならではの選ぶ楽しみもあります。それらの快適性や楽しみを新築プレミアムで買うわけです。

マンションに関してはまったく同じものが存在しないわけで、他の商品と比べるのは少々無理はありますが、車、洋服、家電、家具など世の中に存在するほとんどの商品が一度人の手に渡ってしまえば価値が落ちます。それと同じ考えですね。これがマンションとなると金額が大きくなるため新築(新品)プレミアムが大きく感じるわけです。

相談者様から「この5000万円の新築マンション住んだ瞬間いくらの価値になりますか?」というような質問が毎日のようにきます。その際は「そちらのマンションが今現在築1年程度で誰かが入居済みならいくらで買いますか?」と質問返しをしてみます。

そうするとほとんどの方が「ギクっ」と言った感じで困ってしまい、多くの方の返答が1割以上下げた金額で回答がきます。それが現実なのです。今買おうとしているお部屋が築浅の中古だと思って検討してみれば自ずと新築プレミアムの額がわかりますよね。

もちろん相場観についてもお伝えしていますのでお気軽にご連絡ください。

例・・現在の周辺相場はほげほげで今の相場のままと仮定して築10年時は坪単価ほげほげ万円程度となるでしょう。(本来はモデルルームの営業さんが相場を伝えるべきなのですが。。。相場がきついところだと資料さえないことがほとんどです)

では新築プレミアムはどこまでが許容範囲なのか?!これは人それぞれではありますが個人的(私が新築を選ぶなら)には1割減までです。

5000万円で購入したお部屋が入居した瞬間に4500万円になるのであればそれは一般的数値ですし、50年住むとして500万円を月割りすれば月に1万円以下です。その金額で新築で買ったという喜びや快適性、メニュープランなどのカスタマイズを楽しめたと思えればお安いものです。

ただ最近では新築プレミアムが2割のエリアも出てきました。5000万円で買ったお部屋が入居した瞬間に4000万円になってしまう・・・個人的にはちょいときついかな~と。それでもしっかりと理解したうえで購入される方もいます。エリアを絞っていて新築オンリー、さらには住まい探しを急いでいるとなれば仕方ないですよね。

皆様はどれくらいまで新築プレミアムを許容できますか?ぜひお考えください。

【将来価値を知る方法】

新築マンションの将来価値を100%予想できる人はいません。しかしながら今の相場観で予想をすることは比較的簡単です。検討している新築マンションの周辺に建つ中古マンションの相場をポータルサイトで調べてみましょう。

~検討している新築マンション~

武蔵浦和スカイ&ガーデン 2016年築 武蔵浦和駅徒歩3分 さいたま市南区沼影1丁目 (完売済み)

検討中のお部屋 5608万円 74.64㎡ ○○階 ○○向き @248

~比較する築浅中古マンション~

プラウドタワー武蔵浦和テラス 2008年築 武蔵浦和駅徒歩2分 さいたま市南区沼影1丁目

売り出し中のお部屋

4760万円 75.18㎡ ○○階 ○○向き @208
4980万円 75.18㎡ ○○階 ○○向き @218
5300万円 80.74㎡ ○○階 ○○向き @216

※@=坪単価 1坪=約3.3㎡
※2017年3月下旬の売り出し情報
※成約相場ではありません

周辺の類似マンションを調べることで武蔵浦和スカイ&ガーデンの10年後の相場がわかってきます。あくまで売り出し中住戸での比較ですが坪単価で40万円程度の差があることがわかります。

つまりは・・・

武蔵浦和スカイ&ガーデン 74.64㎡ ○○階 ○○向き @248 5608万円(新築時) → 4700万円(築8年時)

と予想することができます。

※あくまで2017年3月の相場観での予想です
※築8年時のローン残債:約4500万円(金利1%、フルローンの場合)
※売り出し相場のため成約相場はもう少し低くなります

【駅前マンションと一般的なマンションとの違い】

駅前マンションを買うことがすべてではありません。しかしながら駅前マンションのリセール力が強いことは事実です。

駅前マンションと一般的な立地のマンションではどれくらいリセールが違うのかを理解することはけして悪いことではありませんから一例をご紹介いたします。

埼玉高速鉄道「鳩ヶ谷」駅で比較

・エスティプレイス 鳩ヶ谷駅徒歩1分 2006年築
2900万円台(新築時)→2700万円台(中古時) 価格変動 約7%下落

・ブランアーク鳩ヶ谷クレアトール 鳩ヶ谷駅徒歩4分 2006年築
3000万円台(新築時)→2200万円台(中古時) 価格変動 約27%下落

・ダイアパレス鳩ヶ谷本町 鳩ヶ谷駅徒歩8分 2004年築
2600万円台(新築時)→1900万円台(中古時) 価格変動 約27%下落

郊外エリアでも駅前マンションの価格維持率は高くなります。しかしながら駅前にもデメリットはあり、代表的な例としては「電車の音がうるさい(鳩ケ谷駅は地下です)」「静かな住環境ではない」「建物が多く日当たり、眺望が望めない」などが挙げられます。儲けるために住まいを買うわけではありませんから駅前にこだわる必要は一切ありません。

【再開発マンションと一般的なマンションとの違い】

駅前マンションよりもさらに強いのが駅前の再開発マンションです。
再開発で建てられる新築マンションは周辺相場よりも高値で販売されることが多く、価格発表と同時に

「この街でこの価格はあり得ない。高い!見送りだ。」

上記のような声を聞くことも多いのですがそれは勿体ないですね。多少高くても、多少背伸びになってしまっても購入してからどうにでもなるのが駅前の再開発マンションとなります。

京急線「上大岡」駅で比較

~再開発駅前タワーマンション~

・上大岡タワーザレジデンス 駅徒歩3分 2010年築
5500万円台(新築時) → 6900万円台(中古時) 価格変動 約25%上昇

・横浜ヘリオスタワー 駅徒歩1分 2003年築
4600万円台(新築時) → 5700万円台(中古時) 価格変動 約24%上昇

~一般的なマンション~

・プラウドシティ上大岡 駅徒歩7分~徒歩9分(棟による) 2009年築
5500万円台(新築時)→ 4300万円台(中古時) 価格変動 約22%下落

【満足度が高い部屋ほど値下がりしやすい】

新築マンションの場合は売りやすい部屋ほど相場よりも高値の価格設定となっていることがほとんどです。理由は「多少高くても買い手がいるから」という単純なものです。

ではどのようなお部屋が新築販売時に売りやすいのか?

・南向き
・景色が良くて抜け感がある

などなど好条件のお部屋です。

しかし、そのプレミアムは中古になると剥がれやすくリセールは悪くなりがちです。

例・・・ベリスタ板橋浮間舟渡 浮間舟渡駅徒歩6分 2011年築

南向き 新築時4200万円台 → 中古時4000万円台 価格変動 約5%下落
東向き 新築時3200万円台 → 中古時3600万円台 価格変動 約11%上昇

同じマンションでありながらも売りにくいがために新築時の価格を抑えていた東向きのほうが新築時よりも値上がりしています。南向き住戸は日当たりが良く住んでからの満足度は高いお部屋で、逆に東向きは日当たりが悪く眺望の抜け感もないお部屋でした。

新築マンションを選ぶ際は満足度を重視するのかリセールを重視するのかで選択肢が大きく変わってきます。

【妥協してはいけないこと】

100%満足できる住まいはなくとも、できる限り満足度が高い住まいが欲しいことは皆同じです。そんな中で妥協してほしくないポイントがあります。それは奥様の第一希望です。奥様が「これだけは妥協できない!」と思っていることを無視してしまうことは控えたほうがいいでしょう。

・横長リビングが良い
・近くに大規模商業施設がほしい

などなど、まずは奥様の第一条件に合う住まいの中から旦那様の希望を取り込んで絞っていくことをおすすめしています。

【マンションを購入することは生活レベルが向上、それが一番の幸せ】

私は物件を語る際に資産性も評価します。実際に資産性を気にされる方は多くいます。もちろん気にしない方もいますが先に述べたように残債割れは避けなくてはなりません。しかしながら一番大切なのは分譲マンションを購入して「掃除が楽しくなった」「料理が楽しくなった」「インテリアに興味が沸いてきた」「家族と過ごす時間がより楽しくなった」などなどお金には代えられない質の部分です。

私はマンションを購入して少しは儲けてきました。しかしながらマンションを購入してよかったと思う一番の理由はその生活で得た楽しい日常です。購入した住まいで得た生活レベルの向上が今でも心の宝となっています。一度きりの人生ですからできる限り楽しみたい!!毎日を充実したものにしてくれて、自分自身を輝かせてくれるマイホームっていいものですよ!!

【情報収集&プロに相談】

情報社会ですからマンションの購入、売却に関してもネットで検索すれば膨大な情報が出てきます。だからこそ迷ってしまう方が多いのも事実です。ご自身でネットの情報を整理できて、ご自身で購入の決断をできるのであれば良いのですが、そうでない場合はどうすれば良いか?第三者であるプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?

私は月に約100組のメール相談、約20組の対面相談を実施しています。最終的な購入、売却の決断をするのは相談者様ご自身ですが、第三者のプロから聞いたヒントを元に情報を整理することでより納得のできる購入、売却活動ができるのではないでしょうか。

更新記事→マンション購入・売却に向けての一歩 ~虎の巻~ その②

更新記事→マンション購入・売却に向けての一歩 ~虎の巻~ その③

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