少し早いですが2018年のマンションマニアの住まいカウンターでの記事はこちらで締めさせていただきます。
2018年も多くの読者様、関係者様に支えられた一年でした。本当にありがとうございます。
いや~新築マンションに関してはつらい一年でしたね。数多くの新築マンションが[買わないほうがいい]というアドバイスになってしまうくらい厳しかった。。。
まず退化が酷い。数年前の分譲マンション(エリア内のみで比較したとしても)よりも共用廊下にゆとりがなかったり専有部の天井高が低かったり、専有部の面積が狭かったり(60㎡の3LDKとか、、、)と新築であること以外に魅力がほぼない。そして価格が高いと。
近郊・郊外においては土地代というよりも建築費の原価が影響しています。これは数年前からお伝えしているように人件費(職人さん)の高騰などで一部屋にかかるコストがグッと上がっているのです。スペックにもよりますが平気で一部屋あたり2000万円くらいかかったりします。単純計算しても70㎡あたり1000万円近く価格に上乗せしないと事業として成り立ちませんから数年前に新築マンションが4000万円で買えたエリアでも5000万円にしないと商売が成り立たないような状況です。デベロッパーが儲けている高値市況ではなく、むしろデベロッパーも苦しいのです。
山手線の内側や外周近接エリアではホテルとの土地取得競争などもあり土地取得も容易ではありませんからダブルパンチのエリアもあります。ただし都心などはもともと価格に対して建築費の割合が少ないですし、アッパー層が対象ですから一番つらいのは一般層をターゲットにした近郊・郊外でしょう。
そもそも一般層は1000万円もマンション価格が上がればいくら金利が低くともなかなか付いていけませんからデベロッパーとしては専有面積を狭くして表面上の価格はできるだけ上がっていないように見せるのです。
例えばですが
2013年 75㎡ 4000万円
2018年 65㎡ 4300万円
ざっくりですがこんな感じです。
表面上の価格はさほど上昇していませんが坪単価としては2割以上も上昇しています。
新築から中古になってしまえば築浅の広さにゆとりがあるマンションと同じ土俵で戦わなければなりませんから価格維持率も厳しい新築マンションが多いですね。4500万円で購入して10年後くらいには3000万円で売れればよいかなという新築も多々あります。
都心などで60㎡前半くらいのお部屋を購入して3人で住むというのはむしろ戦略的(売りやすい、貸しやすい)なのですが近郊・郊外で狭いお部屋を購入して窮屈に住まう意味ってありますかね・・・?
私自身は近郊・郊外派なのですがその理由として
~マンション価格が安いため広めのお部屋に住める~(家族数に対してゆとりがある広さという意味です)
という思いがあります。
もはや近郊・郊外で窮屈な暮らしをしつつさらには資産性も低い、さらにさらに賃貸マンションみたいなスペック・・・つらすぎますよ。
どうか皆様。新築ということしか価値がない新築マンションは買わないでほしいです。個々の事情があるとしても・・・おすすめできないです。検討している新築マンションよりも立地・スペックが良いのにお安い中古でいいと思います。マンション購入のために住みたい街を妥協する必要はありません。住みたい街の中でのベストを選べばいいのです。新築だけにこだわると街を妥協してしまう方が多い・・・箱の中より外側のほうを優先されたほうがいいのではないでしょうか。
検討している新築マンションが仮に中古でも選びますか?冷静に判断していただきたいものです。
もちろんすべての新築がダメというわけではありません。私も昨年末に購入して来春引き渡しです。
こんな時代でも頑張っている新築マンションもたくさんあります。
価格がちょいとお高くとも
・立地が良い
・スペックが高い
・新しい設備が導入もしくは新しいサービスの取り組みがなされている
などなど。
価格が高いのはどこも同じなわけで大切なのは周辺の築浅中古マンションよりも優れた点があるかどうかです。
新築マンションが大好きな私がモデルルームに訪問してつらい気持ちになることが多いくらいですから本当に厳しい時代なのだと思います。とはいえ価格が下がる見込みもない(まだ人件費は高いままです)わけで購入を先延ばしにすることはおすすめできません。検討エリアに魅力ある新築があるならベストですし、ないなら中古がよろしいかと思います。新築マンションがおすすめのエリアもあれば中古マンションがおすすめのエリアもあります。
2019年も多くの読者様のお力になれるよう努力してまいりますので引き続きよろしくお願いいたします。
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